京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 知的財産経営学分野

講義科目・内容Education

大学の技術シーズをもとに、ベンチャーを興し経営するには、これまでの日本の企業風土で蓄積された企業文化、経営のノウハウとは異なるものが要求されま す。その1つが技術経営であり、特に知的財産を最大限に活用する知的財産戦略をになうマネージャー(知的財産マネージャー)の仕事です。これからのベンチャー、特に医学領域におけるベンチャーは、先端科学技術を知的財産として集約し活用することが必要です。例えば、医薬化合物とDrug Delivery system、組織幹細胞等、分野を越えた知的財産の集約化によりはじめて、産業化が可能となるのです。単に、公開されている特許の活用を図るだけでは不 十分であり、知的財産の創出、発掘の段階から、集約化をにらんだ知的財産発掘活動が必要です。このような戦略的企画能力を持つ人材(知的財産マネー ジャー)が大学側、ベンチャー企業側双方に配置されることが、大学の科学技術の産業化にとって極めて重要な課題です。その様な人材を育てる教育をします。ここで期待される人材は、複数の異なるベクトルを持つ必要があります。自然科学特に先端医学領域、知的財産権を中心とする法律とビジネスに関する基礎知識、及び各々の分野での実務的スキルです。

2024年度

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2024年度前期時間割

2024年度後期時間割

知的財産経営学 授業科目

科目名 前期/後期 時限 主担当教員 単位
アントレプレナーシップ 前期 月6 寺西教授、山口講師 2
アントレプレナーシップ 特論 夏季集中 8/1~8/6 早乙女教授 2
契約実務演習 後期 火5 鈴木(裕)准教授 2
特許法特論・演習(前期) 前期 水6 高山講師、東田講師 2
特許法特論・演習(後期) 後期 水6 田中講師 2
医療ビジネス・イノベーション概論 前期 木6 早乙女教授 2
知的財産法演習 後期 月6 當麻講師 2
知的財産経営学基礎 前期 火6 早乙女教授 2
創薬医学特論 後期 木・金5(調整中) 各指導教員 1
課題研究 通年(第2年次) 各指導教員 4

アントレプレナーシップ特論(ビジネスゲーム)講義風景

選択必修/選択科目

科目名 単位 科目名 単位
疫学Ⅰ(疫学入門) 1 医学基礎Ⅰ  (生理学I) 2
疫学 Ⅱ(研究デザイン) 1 医学基礎Ⅰ  (神経生理学) 2
医療統計学 2 医学基礎Ⅰ  (解剖学) 2
感染症疫学 1 医学基礎Ⅰ  (基礎人類遺伝学) 2
産業・環境衛生学 1 医学基礎II 2
医療制度・政策・経済 2 臨床医学概論 2
保健・医療の経済評価 1
社会健康医学と健康政策 2 ゲノム科学と医療 2
医薬政策・行政 1 医薬品の開発と評価 1
行動科学 1 薬理学 2
基礎医療倫理学 1 生化学 2
医学コミュニケーション基礎 1
社会疫学 2
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1.自然科学 Medical Science

自然科学の分野は、医学部/医学研究科で提供されている講義を受講いただき、最先端の医学について習得してもらいます。

医学/生命科学関係の学部を卒業した学生でも医学を習得できるよう、医学基礎I, II, 臨床医学概論等の講義も提供されています。

2. 法律 Intellectual Property

法律分野において、知的財産経営学分野の教員、及び外部から招聘した現役の弁理士により、特許法を中心とした知的財産法に関する講義、及び契約に関する講義を5科目10単位提供します。知的財産法に関する講義では、特許法の基礎的な知識から、特許明細書の作成等、実務的なスキルを習得します。契約に関する講義でも、契約に関する基礎的な知識を学習した後、契約交渉等の演習を通じて実務的なスキルを習得します。

3.ビジネス Business

ビジネス分野において、知的財産経営学の教員より、起業(アントレプレナーシップ)及びライフサイエンスビジネスに関する講義を3科目6単位提供します。それぞれの講義では、適宜、製薬企業やベンチャーキャピタル等から外部講師を招き、最先端のビジネスの現状等について学ぶ機会を提供します。またアントレプレナーシップの講義では、起業プロセスに関する基礎的な知識を習得した後、ビジネスプランを作成し、新規事業を興すために必要な思考プロセスを習得します。アントレプレナーシップ特論では、ビジネスゲームを通じて、実践的な管理会計の知識を習得します。

4.課題研究 Research

2年次に行う課題研究は、創薬、医療分野における技術経営、知的財産マネジメントに関わる諸課題をテーマに行います。テーマは、学生のバックグラウンドや興味、キャリア等を考慮して決定します。これまでの課題研究のテーマについてはこちら(https://mot.med.kyoto-u.ac.jp/publication)を参照ください。

5.インターンシップ Internship

より実務的なスキルを習得することを目的として、希望者は学内外におけるインターンシップを行うことができます。インターンシップ先は、学内では、医学研究科の産学連携を行っている「医学領域」産学連携推進機構や、製薬企業との組織的産学連携を行っているメディカルイノベーションセンターと連携し、産学連携に関する様々な業務(特許出願、契約 等)を行います。学外組織としては、京都大学発ベンチャー等と連携し、知的財産マネジメント等の業務を行います。

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